歯の痛みや違和感がなくても定期検診へ
歯の痛みや違和感がない場合、歯科医院に行かない方が多いでしょう。しかし、むし歯や歯周病の自覚症状が現れるのはある程度進行してからのため、気づいたときには歯を失うリスクが高くなっているのです。歯の健康は、食生活や生活習慣、セルフケアの質など、さまざまなことが関係しています。
当院では、定期的にお口の中をチェックするとともに、ブラッシング指導やPMTC、フッ素塗布などを通じて歯の健康を守るためのサポートをいたします。生涯にわたりご自身の歯で食事や会話をしたい方は、当院までお気軽にご相談ください。
むし歯・歯周病にかかりやすい方
歯並びやかみ合わせが悪い
歯並びや咬み合わせが悪いと、歯と歯の間に歯垢が溜まりやすく、また歯磨きも届きにくいことからむし歯や歯周病のリスクが高まります。また、噛むときに特定の歯に大きな負担がかかり、その際に歯茎にも負担がかかって歯周病が誘発されることもあるのです。
唾液の量が少ない
唾液には、口腔内の細菌や食べかすを洗い流す働きがあります。そのため、唾液の量が少なくなると、細菌がお口の中に留まってしまい、むし歯や歯周病のリスクが高まります。唾液の量が少なくなる原因は、水分不足やストレス、口呼吸などです。水分が不足すると唾液を作れなくなり、ストレスが溜まると交感神経が優位になってお口の中が乾き、唾液量が減少します。口呼吸もお口の中に絶えず空気が入るため、水分が奪われてしまうのです。
銀歯
むし歯治療を受けたところの銀歯と天然歯のすき間からむし歯が再発する場合があります。銀歯は歯と歯茎の境目に空間ができやすいため、むし歯の再発リスクが高くなります。
ストレスや疲労
ストレスや疲労は、細菌に対する抵抗力の低下を招きます。そのため、むし歯や歯周病のリスクを高める要因になります。
歯磨きの精度が悪い
歯磨きを何回行っていても、食べかすや歯垢を取り除けていなければむし歯や歯周病を発症するでしょう。歯磨きは頻度だけでなく、精度の方がより重要です。
デンタルフロスを使って歯と歯のすき間も丁寧に清掃し、食べかすや歯垢がない口腔環境を保つ必要があります。
女性
女性は、女性ホルモンの関係で歯周病の発症リスクが高いと言われています。特に、妊娠中は歯周病を発症しやすく、また歯周病が低体重出産のリスクを高めることも分かってきています。妊娠中はつわりの影響で、なかなか歯磨きができない場合もあるかもしれません。可能な限りのケアを続けて、歯周病のリスクを抑えることが大切です。
予防歯科のメリット
健康な歯を維持できる
定期的に歯の状態をチェックすることで、むし歯や歯周病を早期発見できます。むし歯を早期治療できれば削る量を抑えられるため、将来的に歯を失うリスクも低減できるのです。また、歯周病で歯茎や歯槽骨を失う量も抑えられます。
治療費を軽減できる
むし歯・歯周病が進行すると、治療回数が複数回になり通院や治療費の負担が増加します。定期検診で早期発見・早期治療ができれば、費用や通院の負担を抑えられます。
美しい見た目を維持できる
PMTCで歯の表面をきれいにすることで、美しい見た目を維持できます。歯垢や歯石、着色汚れがない歯は、白くて透明感があり口元の印象を明るくします。
痛みを抑えられる
むし歯や歯周病が進行すると、治療の際の痛みが増加します。麻酔注射をするにしても、注射そのものの痛みは避けられません。電動麻酔器などで痛みを抑えておりますが、それでもなるべく麻酔注射は避けたいところではないでしょうか。
初期のむし歯や歯周病の治療は痛みが少ないため、麻酔注射が不要なケースがほとんどです。
健康寿命を延ばせる
食は、長生きに欠かせないものであり、健康的な食事をとるには健康な歯が必要です。そのため、予防歯科で歯の健康を守ることは、健康寿命を延ばすことに繋がります。
認知症のリスクを抑えられる
よく噛むことで脳に刺激を与えられ、認知症のリスクを低減できます。よく噛むためには健康な歯が必要です。歯の残存数が20本未満だと高齢者の認知症のリスクが大きく上昇するとの報告もあります。
全身の病気も防げる
むし歯や歯周病の原因菌が体内に入り込むと、心疾患や動脈硬化、糖尿病などのリスクを高めるといわれています。そのため、予防歯科でむし歯や歯周病を防ぐことは、全身の病気の予防に繋がるのです。
予防歯科メニュー
歯磨き指導
歯磨き指導は、正しい歯磨きの方法を歯科衛生士が指導することです。セルフケアの質が高まり、むし歯や歯周病のリスクを抑えられます。当院では、患者さんのお口の状態を踏まえたブラッシング指導を行います。
PMTC(歯のクリー二ング)
PMTCは、歯科衛生士が専門の機械を用いて行う歯のクリーニングです。歯の表面に付着した細菌の集合体のバイオフィルム、歯垢、歯石などを取り除きます。
定期的にPMTCを受けていただくことで健康な口腔内を保ちやすくなります。バイオフィルムは3ヶ月程度で再付着すると言われているため、PMTCを3ヶ月に1回は受けていただくことが大切です。
フッ素塗布
フッ素塗布は、高濃度のフッ素を歯に塗ることで、歯の表面のエナメル質を強化して、虫歯菌が出す酸に強い歯を作る処置です。虫歯菌が出す酸で歯の成分が溶け出すと、唾液の働きによって歯に成分が戻ります。フッ素塗布には、この再石灰化と呼ばれる現象を促す働きもあります。フッ素塗布の効果は永久的ではなく、効果を維持するために、年3~4回は受けていただくことをおすすめします。
歯を残す・守るために大切な予防歯科
予防歯科では、むし歯や歯周病を防ぐために定期検診を受けていただき、口腔内チェックや歯のクリーニングを行います。予防歯科の意識を高めると、むし歯や歯周病のリスクを低減できるため、将来的に健康な歯を多く残すことに繋がります。
永久歯は28本あり、80歳までに20本以上残すことで生涯にわたり食事や会話を自分の歯で楽しめると言われています。そのため、厚生労働省では80歳で20本の歯を残すことを奨励する「8020運動」を推進しており、これを意識して予防歯科に通っていただくことが大切です。